S系外科医の愛に堕とされる激甘契約婚【財閥御曹司シリーズ円城寺家編】
「どうも。柾樹くんは俺の知らない和葉を知っているんだな。どんな女の子だった? 円城寺家での和葉は」
「彼女がうちに来たのは七歳のときで、一緒に過ごしたのはほんの一年くらいなんですが……天真爛漫で、周囲を照らす太陽のような子でしたよ」
柾樹も、その光に救われた人間だ。和葉のことを思うと、無意識に表情が緩んでしまう。それは育郎も同じなのだろう。孫を褒められ、うれしそうだ。
「そうか」
「はい」
少し迷うそぶりを見せてから育郎は言った。
「もしよかったら、和葉に話をしてみようか? 当時の記憶はやっぱりほとんど戻っていないんだが、あいつももう大人だ。パニックになるようなこともないと思う。和葉も本当はもっと知りたいのかもしれない」
育郎は和葉に、円城寺家の名を伝えたことは一度もないそうだ。もちろん和葉が記憶の混乱で苦しまないために配慮だ。
「柾樹くんから当時の話を聞けたら、和葉も喜ぶだろう」
育郎はそんなふうに言ってくれた。
これから和葉にアプローチするうえでは、過去につながりがあったと明かしたほうが有利かもしれない。少なくとも、いきなり告白してくる軽薄な男と思われる可能性は少なくなる。だが――。
「いえ、その必要はありません。和葉さんには、俺とこうして話をしたことも内密にしておいてもらえるとありがたいです」
「――そうか?」
「はい」
柾樹はしっかりとうなずく。
「彼女がうちに来たのは七歳のときで、一緒に過ごしたのはほんの一年くらいなんですが……天真爛漫で、周囲を照らす太陽のような子でしたよ」
柾樹も、その光に救われた人間だ。和葉のことを思うと、無意識に表情が緩んでしまう。それは育郎も同じなのだろう。孫を褒められ、うれしそうだ。
「そうか」
「はい」
少し迷うそぶりを見せてから育郎は言った。
「もしよかったら、和葉に話をしてみようか? 当時の記憶はやっぱりほとんど戻っていないんだが、あいつももう大人だ。パニックになるようなこともないと思う。和葉も本当はもっと知りたいのかもしれない」
育郎は和葉に、円城寺家の名を伝えたことは一度もないそうだ。もちろん和葉が記憶の混乱で苦しまないために配慮だ。
「柾樹くんから当時の話を聞けたら、和葉も喜ぶだろう」
育郎はそんなふうに言ってくれた。
これから和葉にアプローチするうえでは、過去につながりがあったと明かしたほうが有利かもしれない。少なくとも、いきなり告白してくる軽薄な男と思われる可能性は少なくなる。だが――。
「いえ、その必要はありません。和葉さんには、俺とこうして話をしたことも内密にしておいてもらえるとありがたいです」
「――そうか?」
「はい」
柾樹はしっかりとうなずく。