S系外科医の愛に堕とされる激甘契約婚【財閥御曹司シリーズ円城寺家編】
(あの頃のことは、俺にとってかけがえのない思い出だ。でも、もしあの見合いの日が初対面だったとしても俺はきっと和葉に惚れていた)
『媚びは売っておりません!』と啖呵を切った彼女の誇り高い表情には、ぞくりとさせられた。子ども時代にはなかった、初めて知る一面だった。
過去は必要ない。思い出は、これからまた、ふたりで作っていけばいいのだから。
和葉を円城寺グループの経営するスパ&リゾートに連れていこうと思ったのは、育郎の癌を心配するあまり彼女のほうが倒れそうな様子に見えたからだ。デートをするような気分にとてもなれないと言う彼女を、強引に説得して連れ出した。
和葉は、これまで柾樹がエスコートしてきた女性たちとはなにもかもが違って……やっぱり自分にとって彼女は特別なのだとあらためて思い知った。
明るく無邪気だった少女は魅力的な女性に成長していた。ふとした瞬間の色っぽい横顔、芙蓉に対する愛と仕事へのプライド。大人になった和葉が見せる顔は新鮮で、柾樹の庇護欲と独占欲を同時に刺激する。
その一方で、昔と変わらない部分もたしかにあった。
『もしその話が本当なら……女性たちが好きだったのは、円城寺さんじゃなくてお金――なんじゃないかなぁって』
『媚びは売っておりません!』と啖呵を切った彼女の誇り高い表情には、ぞくりとさせられた。子ども時代にはなかった、初めて知る一面だった。
過去は必要ない。思い出は、これからまた、ふたりで作っていけばいいのだから。
和葉を円城寺グループの経営するスパ&リゾートに連れていこうと思ったのは、育郎の癌を心配するあまり彼女のほうが倒れそうな様子に見えたからだ。デートをするような気分にとてもなれないと言う彼女を、強引に説得して連れ出した。
和葉は、これまで柾樹がエスコートしてきた女性たちとはなにもかもが違って……やっぱり自分にとって彼女は特別なのだとあらためて思い知った。
明るく無邪気だった少女は魅力的な女性に成長していた。ふとした瞬間の色っぽい横顔、芙蓉に対する愛と仕事へのプライド。大人になった和葉が見せる顔は新鮮で、柾樹の庇護欲と独占欲を同時に刺激する。
その一方で、昔と変わらない部分もたしかにあった。
『もしその話が本当なら……女性たちが好きだったのは、円城寺さんじゃなくてお金――なんじゃないかなぁって』