S系外科医の愛に堕とされる激甘契約婚【財閥御曹司シリーズ円城寺家編】
そのとき、応接間の電話がなった。腰をあげようとした寧々を制して唄菜が「私が出るよ」と言ってそちらに向かう。
「円城寺でございます。――はい、えぇ?」
唄菜の声のトーンが変わった。なにかあったのだろうか。寧々も和葉も彼女のほうへ顔を向ける。受話器を置いて振り返った唄菜の顔は蒼白だ。
「大変っ! 病院で……柾樹が人をかばって階段から落ちて……意識混濁状態だって」
心臓がスーッと冷たくなり、手足が凍りつく。
(柾樹さんが……意識混濁……?)
和葉は声を発することもできず、呆然と立ち尽くす。しだいに膝が震え出し、和葉の身体がぐらりと傾いた。それを支えてくれた寧々が言う。
「和葉ちゃん、しっかりして。すぐに一緒に病院に向かいましょう」
なんと返事をしたのか自分でもわからない。
気がついたら、寧々と唄菜と一緒に円城寺家の車の後部座席に乗せられていた。
(柾樹さん、お願い。無事でいて!)
嫌な想像が脳裏に浮かぶたびに、ふるふると頭を振ってそれを追い出す。
(だって、今夜は……ものすごく楽しい夜になるはずだったの。赤ちゃんができたことを報告して、柾樹さんはきっとすごく喜んでくれて……)
和葉は自身のなかに宿った新しい命を抱き締めるように、おなかを抱える。
(絶対に大丈夫よ、私と柾樹さんとこの子と……幸せになるんだから! 愛する人を失うなんて、そんなこと……)
「円城寺でございます。――はい、えぇ?」
唄菜の声のトーンが変わった。なにかあったのだろうか。寧々も和葉も彼女のほうへ顔を向ける。受話器を置いて振り返った唄菜の顔は蒼白だ。
「大変っ! 病院で……柾樹が人をかばって階段から落ちて……意識混濁状態だって」
心臓がスーッと冷たくなり、手足が凍りつく。
(柾樹さんが……意識混濁……?)
和葉は声を発することもできず、呆然と立ち尽くす。しだいに膝が震え出し、和葉の身体がぐらりと傾いた。それを支えてくれた寧々が言う。
「和葉ちゃん、しっかりして。すぐに一緒に病院に向かいましょう」
なんと返事をしたのか自分でもわからない。
気がついたら、寧々と唄菜と一緒に円城寺家の車の後部座席に乗せられていた。
(柾樹さん、お願い。無事でいて!)
嫌な想像が脳裏に浮かぶたびに、ふるふると頭を振ってそれを追い出す。
(だって、今夜は……ものすごく楽しい夜になるはずだったの。赤ちゃんができたことを報告して、柾樹さんはきっとすごく喜んでくれて……)
和葉は自身のなかに宿った新しい命を抱き締めるように、おなかを抱える。
(絶対に大丈夫よ、私と柾樹さんとこの子と……幸せになるんだから! 愛する人を失うなんて、そんなこと……)