S系外科医の愛に堕とされる激甘契約婚【財閥御曹司シリーズ円城寺家編】
「本当よ。ぐっと女らしくなったというか、やっぱり女はいい男に愛されると変わるのね~」

『いい男に愛される』

 急にベッドのなかでの柾樹の姿が思い出されて、和葉の頭はボンッと爆発を起こす。
 育郎の退院日が決まってからはなにかとバタバタしていたし、そもそも柾樹自身も医師として多忙な日々を送っているので……身体を重ねたのは、まだあの一度きりだ。だけど、その一度が和葉の頭を占領していてなかなか出ていってくれない。

(向こうも忙しいんだろうけど、実家に帰ってからは電話すらしていないし)

 なぜだか、胸が小さく締めつけられた。
 彼が恋しい。それをあっさり認められるほど和葉は素直じゃないので、ブンブンと頭を振って柾樹を思考から追い出した。

 なのに……やっぱり彼はずるい男だ。その日の夜にタイミングよく電話をしてきて、和葉の心をかき乱すのだから。

『全然連絡できなくて悪かったな。大きい手術が続いてたんだ』
「いえ、そんなこと気にしなくて大丈夫です」

(完璧に忘れられているかと思ってたのに、違ったんだ)

 自分から連絡する勇気はないくせに、彼には気にかけていてほしいなんてワガママだと自分でもあきれる。だけど、柾樹からの連絡に思った以上に安堵している自分がいた。

(これじゃ、彼を好きみたいじゃない)

 それを否定したくて、またかわいくないことを言ってしまう。
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