春色ドロップス
放課後、ぼくは珍しく教室に残っていた。 何かやってるわけじゃないんだけど。
何となく寂しい気持ちを抱えているのがつらくて、、、。 誰だって同じなのは分かってる。
でもさ、やっぱりつらいんだよ。 彩葉が居ないから。
トントン。 そこへ誰かがノックした。
(誰だろう?) そう思ってドアを開けてみると、、、。
「あらあら、灰原君 まだ居たの?」 見回りをしていたミナッチがそこに立っていた。
「いえ、ちょっと考え事をしてたんですよ。」 「誰かのこと?」
本当なら一緒に高校生になってた友達のことを、、、。」 「そんな子が居たの?」
ミナッチもどっか気になった様子で教室に入ってきた。 「そうなんだ。 太陽アレルギーさえ無ければ全日制のこの学校に入ってたんだ。 でもさ、、、。」
「で、その子は今は何をしてるの?」 「通信制で勉強してるんだって。」
「大変ねえ。 通信制って自分でやってかなきゃいけないから。」 「そうらしいよね。 頼めば教えてくれるらしいけど。」
「分かんないもんだなあ。 そういう子が友達に居るなんて。 聞いて良かった。 でも早めに帰るのよ。 門が閉まっちゃうから。」 「はーい。」
ミナッチが職員室へ帰るのと同じくぼくは昇降口へ駆け下りていった。
なんとかミナッチだけでも知ってもらえたから嬉しかったなあ。 これからはミナッチとも彩葉の話を出来るぞ。
駅に着いたぼくはスマホを何気に開いた。 「誰だろう?」
着信のランプが点滅している。 メールボックスを開いてみたら、、、。
『今日は国語をやってるけどさっぱり意味が分からなくて困ってる。 助けてほしいなあ。』
2時過ぎに届いていた彩葉からのメールだった。 ぼくは電話を掛けてみた。
「彩葉ちゃん?」 「灰原君。 今何処?」
「学校から帰るところだよ。 ちょっと考え事してたら遅くなっちゃって、、、。」 「そっか。 今ね、つかさちゃんが来てくれてるんだ。 灰原君に送ったのと同じメールを送ったら来てくれたの。」
「そうなんだ。 ごめんね、気付くのが遅くなって。」 「いいよ。 授業中だったんだもん。 電話してくれただけでも嬉しい。」
その後ろでつかさがキャッキャとはしゃいでいるのが聞こえる。 「ぼくも寄れたら寄るよ。」
「うん。 ありがとう。 待ってるね。」 「何だって?」
つかさが何か食べながら彩葉と話してる。 やっぱり仲良しなんだなあ。
電車に乗ると何となく連結器の上に立ってみる。 マニアじゃないけどなんか堪らない。
まだまだ少しだけ暖房が入っているような気がするなあ。 眠くなりそうだ。
それを堪えて電車を降りて近くのコンビニへ、、、。 つかさも好きそうなジュースを買って彩葉の家へ。
「こんばんは‼」 「はーあーい。」
いつものようにお母さんが出てきた。 「あらあら、健太君も来てくれたの? 今ね、つかさちゃんも来てるのよ。」
「そうらしいですね。 さっき電話で聞きました。」 「同窓会みたいだなあ。」
「ねえねえ健太君も来たよ。」 彩葉の嬉しそうな声が聞こえる。
お母さんはいつものように店のほうへ行ってしまった。 「つかさもありがとう。 はい、ジュース。」
「オー、気が利くなあ。 お兄さん。」 「ブ、お兄さんだって。」
「悪かったかな?」 「ぜんぜん。」
「彩葉の勉強も進んでるからね。 健太君が来る前に半分終わっちゃったわ。」 「ありがとう。 つかさちゃん。」
「漢文なんて難しくてさあ、やってらんないよね。」 「そうだよね。 みんなは元気?」
「ああ、あいつらも異様に元気だよ。」 「健太、あいつらの話はしないの。」
「ごめんごめん。 勉も言ってたんだよ 会いたいって。」 「そうなの? 良かった。」
「今度の日曜日さあ、夕食会をやろうと思うんだ。 来れるかな?」 「つかさちゃんたちが来てくれるなら喜んで行くよ。」
「決まりだね。 折原さんも来るって言ってたから。」 「そっか。 楽しみだなあ。」
「もう7時だって。 そろそろ帰るね。 私。」 「うん。 ありがと。 つかさちゃん。」
つかさが部屋を出た後、ぼくは机の上に置いてあるノートに目をやった。 「進んでるねえ。」
「まだまだだよ。 ちょっとでも早く終らせたいんだ。」 「何で?」
「だって一人でやってるんだからさあ。」 「ぼくらと一緒だよ。 彩葉は。」
「そうかもしれないけどやっぱり気になるよ。」 「いいじゃん。 これからはつかさも勉も来てくれるし。」
「それは有り難いんだけどさあ。 みんなに頼るのも申し訳なくて、、、。」 「友達なんだからお互い様だよ。」
「そうだよね。」 ぼくは久しぶりに彩葉の手を握った。
その帰り道、ぼくはまたコンビニに寄った。 「オー、健太じゃないか。 今頃どうした?」
「いや、彩葉の家に寄ってたんですよ。」 「求婚でもしたのか?」
「まだまだそんな年じゃ、、、。」 「今から決めといたほうがいいぞ。 おっさんになるのは速いんだから。」
先輩 黒田正樹はジュースを袋に入れながらそう言って笑うのでした。
何となく寂しい気持ちを抱えているのがつらくて、、、。 誰だって同じなのは分かってる。
でもさ、やっぱりつらいんだよ。 彩葉が居ないから。
トントン。 そこへ誰かがノックした。
(誰だろう?) そう思ってドアを開けてみると、、、。
「あらあら、灰原君 まだ居たの?」 見回りをしていたミナッチがそこに立っていた。
「いえ、ちょっと考え事をしてたんですよ。」 「誰かのこと?」
本当なら一緒に高校生になってた友達のことを、、、。」 「そんな子が居たの?」
ミナッチもどっか気になった様子で教室に入ってきた。 「そうなんだ。 太陽アレルギーさえ無ければ全日制のこの学校に入ってたんだ。 でもさ、、、。」
「で、その子は今は何をしてるの?」 「通信制で勉強してるんだって。」
「大変ねえ。 通信制って自分でやってかなきゃいけないから。」 「そうらしいよね。 頼めば教えてくれるらしいけど。」
「分かんないもんだなあ。 そういう子が友達に居るなんて。 聞いて良かった。 でも早めに帰るのよ。 門が閉まっちゃうから。」 「はーい。」
ミナッチが職員室へ帰るのと同じくぼくは昇降口へ駆け下りていった。
なんとかミナッチだけでも知ってもらえたから嬉しかったなあ。 これからはミナッチとも彩葉の話を出来るぞ。
駅に着いたぼくはスマホを何気に開いた。 「誰だろう?」
着信のランプが点滅している。 メールボックスを開いてみたら、、、。
『今日は国語をやってるけどさっぱり意味が分からなくて困ってる。 助けてほしいなあ。』
2時過ぎに届いていた彩葉からのメールだった。 ぼくは電話を掛けてみた。
「彩葉ちゃん?」 「灰原君。 今何処?」
「学校から帰るところだよ。 ちょっと考え事してたら遅くなっちゃって、、、。」 「そっか。 今ね、つかさちゃんが来てくれてるんだ。 灰原君に送ったのと同じメールを送ったら来てくれたの。」
「そうなんだ。 ごめんね、気付くのが遅くなって。」 「いいよ。 授業中だったんだもん。 電話してくれただけでも嬉しい。」
その後ろでつかさがキャッキャとはしゃいでいるのが聞こえる。 「ぼくも寄れたら寄るよ。」
「うん。 ありがとう。 待ってるね。」 「何だって?」
つかさが何か食べながら彩葉と話してる。 やっぱり仲良しなんだなあ。
電車に乗ると何となく連結器の上に立ってみる。 マニアじゃないけどなんか堪らない。
まだまだ少しだけ暖房が入っているような気がするなあ。 眠くなりそうだ。
それを堪えて電車を降りて近くのコンビニへ、、、。 つかさも好きそうなジュースを買って彩葉の家へ。
「こんばんは‼」 「はーあーい。」
いつものようにお母さんが出てきた。 「あらあら、健太君も来てくれたの? 今ね、つかさちゃんも来てるのよ。」
「そうらしいですね。 さっき電話で聞きました。」 「同窓会みたいだなあ。」
「ねえねえ健太君も来たよ。」 彩葉の嬉しそうな声が聞こえる。
お母さんはいつものように店のほうへ行ってしまった。 「つかさもありがとう。 はい、ジュース。」
「オー、気が利くなあ。 お兄さん。」 「ブ、お兄さんだって。」
「悪かったかな?」 「ぜんぜん。」
「彩葉の勉強も進んでるからね。 健太君が来る前に半分終わっちゃったわ。」 「ありがとう。 つかさちゃん。」
「漢文なんて難しくてさあ、やってらんないよね。」 「そうだよね。 みんなは元気?」
「ああ、あいつらも異様に元気だよ。」 「健太、あいつらの話はしないの。」
「ごめんごめん。 勉も言ってたんだよ 会いたいって。」 「そうなの? 良かった。」
「今度の日曜日さあ、夕食会をやろうと思うんだ。 来れるかな?」 「つかさちゃんたちが来てくれるなら喜んで行くよ。」
「決まりだね。 折原さんも来るって言ってたから。」 「そっか。 楽しみだなあ。」
「もう7時だって。 そろそろ帰るね。 私。」 「うん。 ありがと。 つかさちゃん。」
つかさが部屋を出た後、ぼくは机の上に置いてあるノートに目をやった。 「進んでるねえ。」
「まだまだだよ。 ちょっとでも早く終らせたいんだ。」 「何で?」
「だって一人でやってるんだからさあ。」 「ぼくらと一緒だよ。 彩葉は。」
「そうかもしれないけどやっぱり気になるよ。」 「いいじゃん。 これからはつかさも勉も来てくれるし。」
「それは有り難いんだけどさあ。 みんなに頼るのも申し訳なくて、、、。」 「友達なんだからお互い様だよ。」
「そうだよね。」 ぼくは久しぶりに彩葉の手を握った。
その帰り道、ぼくはまたコンビニに寄った。 「オー、健太じゃないか。 今頃どうした?」
「いや、彩葉の家に寄ってたんですよ。」 「求婚でもしたのか?」
「まだまだそんな年じゃ、、、。」 「今から決めといたほうがいいぞ。 おっさんになるのは速いんだから。」
先輩 黒田正樹はジュースを袋に入れながらそう言って笑うのでした。

