二次元に妻を奪われたくないスパダリ夫は、壮大すぎる溺愛計画を実行する
「か、香澄!?」

 涼は驚いた。
 今まで、香澄のいろいろな泣き顔は見てきたものの、今涼に見せている香澄の泣き顔は、まさにこの世の終わりだと考えている時に見せる顔。
 ちなみに涼が見たことある、今の香澄と似ているのは「破産寸前」の経営者の顔、だったりする。

「どうしたの!?」

 と涼が香澄に声をかけても、香澄は涼の声には一切気づかない。

「あ……あ……」

 顔はジ●リのも●の●姫に出てくる白くてカタカタ顔を鳴らす生き物のように。
 動きは土から這い出たばかりの、どろどろに溶けたゾンビのように。
 そろりそそりと涼がたった今ダメにしてしまった箱に近づいていく。
 そして、その箱に香澄は触れた瞬間。

「ああああああ!!なんていう姿に……!!!」

 無惨な状態にされた箱を抱き抱えて香澄は大号泣を始めたのだった。
 そんな香澄を初めて見た涼は、ただただ「どうしよう」と血の気が引いた顔で、必死でコンピューター並みの頭でネクストアクションを考えようとした。が、うまく知識と知識が機能できず、涼の体はフリーズしてしまった。
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