二次元に妻を奪われたくないスパダリ夫は、壮大すぎる溺愛計画を実行する
 とはいえ、及第点はあげてもいいだろう……と、拓人は思った。
 自ら香澄に縛られたいという発想はいただけないが、香澄には拘束プレイが必要な、ちょっとセクシーな乙女ゲームの仕事は振ろうと思ってはいたところだった。
 香澄に予め「いい実験台は近くにいるから、安心して経費で色々買いなさい」とでも言おうかしら、と拓人は考えた。
 でも、もし逆……涼が香澄に束縛プレイなんぞをしてきたら……と想像すると悍ましすぎてレインボーを公害の顔にぶちまけたくなるので、今すぐ脳内を掃除したくなった。
 ごほん、と気を取り直すために咳払いをしてから、拓人は

「まあまあいいんじゃないの」

 とだけは返してやった。

「これなら、香澄の、二次元と結婚最高発言が出たとしても、あんた耐えられるでしょ」
「善処する」
「そこは耐えるって言うところよ。全く……」

 そして拓人が「じゃあ香澄からの伝言を伝えるわね」と言おうとした時だった。

「あ、あの……」

 すでにヲタ暴走モード沈静化させ、お茶をちびちびと飲んでいた勇気がおずおずと手を挙げた。

「も、ももももしかしてそれって、俺のことかも……」
「「え?」」
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