二次元に妻を奪われたくないスパダリ夫は、壮大すぎる溺愛計画を実行する
「痛いっ……」

 香澄は、今まで集中して、拓人仕込みの高速タイピングで仕事をこなしていたが、急に背中から腰にかけて痛みが走ってしまった。
 パチンっとスイッチが切れてしまったかのように、香澄は机に突っ伏した。

「はぁ…………」

 無意識にため息をつく。
 するとその度に香澄には考えてしまうことがあった。
 それこそが、涼との関係のこと。

「私、やっぱコミュ障だ……」

 さっきも、せっかく涼がたくさんキスをしてくれたと言うのに、ソシャゲのガチャ時間なんかを気にしてしまった。
 その時は、それが優先事項1番だと思ってしまったわけだけど……。

「普通に考えて、その対応はないよ、私……」

 冷静に考えてみれば、そもそも人間として間違ったことをしたと、香澄だって理解できる。
 自分なんかに好意を持ってくれている人間より、ソシャゲを優先するなんて、一般人ならありえないだろう。
 実際、ネットで調べてみるとこういう事例をよく見かける。

 ゲームを優先する恋人に嫌気がさして、別れた。

(これ、今の私だ……)

 そんなネットの投稿を見る度に、香澄の思考は常に負の連鎖に突入していた。
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