二次元に妻を奪われたくないスパダリ夫は、壮大すぎる溺愛計画を実行する
「ちょっと待ってください!」
「待たない」

 香澄が静止するのも聞かず、涼は香澄の首筋から鎖骨にかけてキスマークをつけていく。

「んんっ……」
「今日という今日は、僕だけを見ててもらうから」

 そう言うなり、涼は香澄の唇を無理やりこじ開け、舌を絡める深いキスを繰り返す。

「んんっ」

 香澄は、その激しいキスに溺れそうになった。
 でも、突然涼はピタリとキスを止めた。
 そしてゆっくり唇を離してからこう言った。

「…………ねえ、香澄……僕が茶髪になればいいの?」
「はい?」

 それは、立花潤の髪の色だ。

「それとも、髪の毛を伸ばせばいいのかな?」

 それは、カミーユの特徴。ちなみに彼の場合は髪色は白に近い銀髪。

「眼鏡を毎日かけてればいいの?」

 桜井健一のトレードマークは、確かに眼鏡だ。それも黒縁。

「それとも武道を習えばいい?」

 真田邦彦というキャラは、武道の達人という設定。
 何故ピンポイントで彼らの特徴を涼があげていくのか、やっぱり香澄には理解できずにいた。

「りょ、涼先生……?どうして急にそんなことを」
「僕じゃ物足りないから、あいつらのことばかり気にしてるんじゃないのか?」
「ええっ!?」
「だから、僕が奴らみたいになれば、奴らのことをもう見ないでくれる?」

 香澄はむしろ、自分の方が涼にふさわしくないと思っているからこそ、仕事を増やして美容にお金をかけられるようにしたいと思っていた。
 だから、涼にそんな風に声を荒げられるなんて全く思っていなかった。

(こういう時、何て言うのが正解なの……?)
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