キミはひみつの王子様。─ようこそ、オオカミだらけの男子校へ─

アホの子、大ピンチ!?





「はい、つーことで転校生の郡くんだ」


「郡 カンナです!誕生日は11月の16歳です!!よ、よろしく!!」


「おう、図々しいな。まあそーいうことで優しくしてやれよ。あんまいじめんじゃねえぞ」



なるべく大きく名前を書いた黒板の前。

ポンっと、わたしの頭に手を乗せた担任教師。


クラスの人数は平均的な35人、だがしかし、やはりみんな男。


派手な髪色からシンプルな髪色まで幅広く、個性を彩るアクセサリーや香水。

共通点を出すならば顔が整っていることくらいだろうか。



「チビっ!声たかっ、きみ小学生ー?」


「訪れなかった変声期と成長期!!これはキツいわ!ぎゃはははっ!!」


「なあなあ郡くん、あとで一緒にトイレ行こーぜ?確かめたいことあっから!」


「…………」



とてつもなく下品、そして最低。
案の定さっそく笑い者。

こうなることは予想の範囲内だったらしく、隣に立つ斎賀先生までもが鼻で笑ってきた。


これがいわゆる男子校で言うところの、可愛がられる───らしい。



< 36 / 377 >

この作品をシェア

pagetop