王子様とお姫様の甘い日常
「まさか金かかるからとか、こんなとこ私に似合わないとか思ってねぇよな?この俺のお姫様なのに」

「それは……その、違うようなあってるような……それにこんな雰囲気の場所……初めてでちょっと気が引けてというか……」

「美弥は心配すんな。そのままでいいから堂々としてろ」 

「でも……私……自信が」

「今更かよ。一回しか言わねーからな。俺はありのままの美弥が好きで結婚した。美弥がフリーターでも令嬢でも関係ねぇの。もっと自信もてよ。大体、美弥だって俺の肩書きとか、生まれとかどうでもいいだろ?それとも俺が副社長だから惹かれた?」

「そ、そんなこと絶対ないよっ!颯が無職でも……その、ホームレスになっちゃったって好きだもんっ」

私はそこまで行って自身の口を塞いだ。

「あははっ、どんな例えだよ。ま、俺のことが好きでしょうがねぇってことな」

「……もうー……」

私は顔を真っ赤にしながらも、さっきまでの緊張も気負いもなくなっていることに気づく。

「おいで」

颯が私の掌をキュッと握ると、プランナーが開いた扉の奥へ私を連れてはいった。
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