王子様とお姫様の甘い日常
「……わぁ……」

私の口から思わず声が漏れていた。

私の目の前には、豪華な純白のドレスが300着以上も並んでいる。

「すごいね……颯」

「良かった。美弥、どれでも好きなの何着でもどうぞ」

「えっ、何着も?!」

私達の会話を聞いていたプランナーが、にこりと笑った。

「ふふっ、なんて素敵で可愛らしい奥様なんでしょう……私は、奥の試着室の方でお待ちしておりますのでお二人でごゆっくりお選びください」

「どうも」

颯が会釈すると、すぐにプランナーは隣の部屋の試着室へと入っていった。


「さてと、やっと二人きりになったなっと」

「きゃっ……」

颯の長い両腕が私の後ろからすぐに伸びてくる。そして私の首元から颯の甘い声が聞こえてくる。

「どれにする?てゆうか……美弥ってほんと、いっつもいい匂いすんな」

「は、颯……あの誰かきたら」

「来るかよ。貸切だし」

「えっ!わざわざ貸し切ったの?」

颯が意地悪く唇を引き上げた。

「美弥のためなら当然。急遽だったから2時間だけしか借りれなかったけどな。それにこうでもしないと美弥、式どころかウェディングドレス着てくんないだろ?」

「だって……その、高いし……私には、ンッ」

颯が私を真正面から抱きしめなおすと、唇にキスを落とした。
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