若旦那様の憂鬱〜その後の話し〜
「また来るんじゃ無いかとか不安に思う事は無いんだけど…
どっかでまだ、今の幸せは夢なんじゃ無いかって、このままずっと続くのかなって不安に思って寝れない日があったりするの…。
結婚式も近いし、無意識に緊張してるのかなぁ。」
花はおどけて笑って見せるけど、逆に母を心配させてしまう。

花は思い切って父の手紙を全部開いて読んでみる。

手紙には今までの事を詫びや、母や花の幸せを願う内容が書かれていた。

本当にあの父が書いたのだろうか?と思うほど謝罪が続き、信じられない気持ちの方が大きい。
母にその事を話すと、

「あの人、この頃お酒を絶ってるらしいのよ。信じられないでしょ。自分は酒乱の気があって、お酒が入るとどうしても自分を止められないんだと、今頃になって気付いたらしいんだけど。今更遅いわよね。」

だけど、それでも父が、変わろうと変わりたいと思う気持ちは伝わって来た。

「私、会ってみる。不安を感じ無いで、もっと今の生活をも楽しみたいし、幸せで良いんだって安心したいから。」

「そうね。柊生君について行って貰えば良いわ。
多分言わなくても心配で着いてくると思うけど。」

「絶対着いてくると思う。」

母と2人、ふふっと笑う。

「花に与えてしまった親としての罪悪感も少し軽くなりそうよ。」
と、言って母は帰って行った。
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