若旦那様の憂鬱〜その後の話し〜

父との再会そして未来へ

次の朝、少し早めに3人で家を出る。

椋生は5ヶ月になって夜よく寝るようになってくれた。
今日も車の中チャイルドシートに寝かすとぐっすり眠っている。

花は久しぶりに助手席に座りドライブを楽しむ事にする。

「今日は天気が良くて良かったね。」
父に会いに行くと言う緊張もあって、あまり眠れなかったけど少し気分が上がってくる。

「眠かったら気にしないで寝ろよ?」
柊生は赤信号で、後部座席から膝掛けまで出して来て花に渡してくれる。

「ありがとう。でも大丈夫だよ。
全然眠く無いから、ちょっ久しぶりにデートみたいでテンション上がる。」

花が楽しそうに言うから柊生も笑顔になって、
「じゃあ、帰りは美味しい物でも食べて帰るか。」

こくんと花は頷く。

突然柊生が運転しながら、ぎゅっと花の手を握ってくるから花はびっくりして柊生を見る。

「ど、どうしたの?」
< 179 / 190 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop