乙女と森野熊さん
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近くの警察署に連れて行かれると、小さな応接室のような場所に通された。
目の前にはオレンジジュースのペットボトルが置かれ、私服姿の女性と男性二人が何が起きたのか話して欲しいと優しく語りかけてきて、熊さんは少しだけ部屋の隅に立っていたが、気が付けばいなくなっていた。
私は真奈美の事が気になりながら、今回起きたことについて質問してくる警察官に素直に話した。
「あの、真奈美は」
私が一通り話した後警察官に尋ねると、
「彼女の聴取にはまだ時間がかかっているかも」
「待ちます!待ちますから会わせて下さい!」
必死に訴えると、警察官二人は顔を見合わせ、
「わかりました。キリの良いときに会えるようにしましょう。
それまでここで待てる?」
「もちろんです」
すぐに答えると、警察官二人は書類とノートパソコンを持って部屋を出て行き、私は一気に緊張から解き放たれたようにぐったりとソファーの背に身体を預けた。