BABY主任は甘やかされたい~秘密の子育てしています~



「お疲れさまでした!お先失礼します!!」


荷物をまとめて勢いよく席を立ち上がる。みっくんがこっちを見てるのに気付いたけど、振り向かず速足で部署を後にした。

早く家に帰って、希乃愛の顔見て癒されなくちゃ。
会社前のバス停に並んだと同時に、ポケットに入れたままのスマホが振動した。

ふん、今更フォローしたって遅いんだから!!



──────────────────
(お姉ちゃん)
希乃愛、保育園でお昼寝なしコースで
急いで夕飯食べさせてとお風呂入れて
寝ちゃったから(zzz)

このまま朝まで寝ちゃうと思うから
たまにはゆっくりしてきてなね(ニコニコ)
──────────────────


なんだ、お姉ちゃんか。
正直、みっくんからと思った。スマホの画面に目を落としながら拍子抜ける。


希乃愛寝ちゃったなかぁ。確かにお姉ちゃんの言う通り、朝までぐっすり寝てしまうだろうな。

時刻は17時ちょっと過ぎ。
今から帰宅しても早いし、このモヤモヤの気分転換に買い物でもしてこうかな。
と、体を反転させて駅方面に歩き出そうとしたその時──、後ろから誰かに腕をガシッと掴まれた。




「奈良崎さーん。お仕事、お疲れさま!」

「…………!?」

「そこのカフェで待ってたのよ。あなたが出てくるの!この後、お時間あるかしら?」


本日噂されていたJエステ大阪支店責任者。
彼の──、みっくんの元奥さんだ。


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