BABY主任は甘やかされたい~秘密の子育てしています~
「いやー。凄っげー、美人でしたよね!いくつ位なんすかね?」
「鈴木くんっ、女性に年齢聞いちゃダメよ!!」
「別に本人じゃないからいいじゃないすか!?」
「まぁ……、確かに。正確には覚えてないけど、山崎主任よりちょっと年上だったような」
三浦さんの言葉に鈴木くんが反応して、私のすぐ真隣で会話が繰り広げられていく。
なんで、ここで話すかな……。
「いーなぁ。俺、1度でいいからああいうバリバリ仕事できそうな女の人とヒモみたいな関係になってみた……はっ、」
私の視線に気が付いたのか、鈴木くんが"しまった!"という顔をしながら口を両手で覆う。そしてから、申し訳なさそうに2人のフォローが始まった。
「でもさ、確かに綺麗だけど、なんか家に帰っても休めなそう。ね、鈴木くん?」
「あ、はい。奈良崎さんは奈良崎さんで小さくて癒されるっつーか、逆に飼いたいタイプでいいと思う!」
「そうそう。若さでは絶対負けてないし、可愛いもん!」
「………」
全然、気にならなかったわけじゃない。
みっくんに離婚経験があることは聞いていた。けど、実感が沸いてなかったというか、実際に相手の女の人が現れると想像以上にダメージが大きい。
なんで、別れちゃったんだろう。とか、みっくんがプロポーズしたのかな?とか、あんなスタイルの良い人とエッチしたんだろうな……とか。知りたくない事まで考えてしまう。
でも、なにより──。その事実を他の人からじゃなくて、みっくんから聞きたかったな。