BABY主任は甘やかされたい~秘密の子育てしています~
希乃愛の胸元には象の親子の缶バッチがつけられて、凄く誇らしげな顔をしているけど。
撮ってアップしてしまった。
主任と希乃愛の2ショットを写真SNSに……。
「主任、ごめんなさい」
「ははは、希乃ちゃんも喜んでくれてるし。別に写真くらいいーよ」
私が深々と頭を下げると、主任がいつもと変わらない穏やかな表情を見せる。
「でも、インスタに上げちゃって他の人に何か言われたり……」
「大丈夫だよ。奈良崎さんは気にしなくていいから。俺が希乃ちゃんの笑ってる顔見たかっただけ、じゃ駄目かな?」
なんでだろう。主任が優しくて胸がギュッと温かくなった。
私と主任の間に希乃愛がいて、3人で仲良く手を繋ぐ。
となり町の小さな動物園は、周りを見渡しても家族連れしかいないから。
これじゃ、まるで家族団らんでどうぶつえんに来てるみたいで、胸の奥がなんかくすぐったい。
「希乃ちゃん、うさぎさん抱っこしたい?」
「うさぎさん、やったー!!」
「あ、あの……主任」
「ん?どうしたの?」
「あの、主任はどうして私達に優しくして……」
よく分からないけど。緊張して心臓の音が、いつもより大きく感じる。自身の顔面が火照ったように熱い。
その時──、ブーッブーッと振動音が鳴り響いた。
主任がポケットからスマホを取り出して画面を確認する。