BABY主任は甘やかされたい~秘密の子育てしています~
「違います!あれは、違うから!全然、誤解でね、主任と私は関係ないの!」
なんて台詞と同時に、持ってたグラスを勢いよくテーブルに置く。
もう、どこに行ってもこの話が出るんだから。
確かに動物園には一緒に行ったけど、希乃愛もいて2人きりじゃなかったし。
「そうなの?面白い話聞けると思ったのに残念!」
「でも格好いいよねぇ。落ち着いてて、優しくて、包容力もあってぇ大人の男の人って感じがさー。やっぱ、同い年より年上の方が……」
「おいっ、笹木……」
「まぁまぁ、分かるよー。男からみても主任はカッケーもん」
2人が口論になりかけた時、鈴木さんが上手く間に入って言葉を続けていく。
"男からみてもカッケー"って。この人達に主任がお母さんの事をママ呼びしてる事実を伝えたくなるも、流石にその衝動は抑えた。
それに。そもそも、希乃愛が主任を気に入ってるだけだし。
「ていうか、笹木は年上が好みなのかよ?」
「当たり前でしょう!同い年なんて子供っぽくて無理だし!やーっぱ年上だよねぇ」
「……っ、年齢は関係ねーじゃん」
笹木さんの返答に、向かいに座る青木くんって子が顔を真っ青になっているから。笹木さんの事好きなの駄々漏れなんだけど。
鈴木さんにチラリと目を向ければ、彼も気付いている様子で彼等を見て呆れるように笑っていた。
人の恋愛話見たり聞いたりするのは楽しいんだけどなー。