BABY主任は甘やかされたい~秘密の子育てしています~
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「うー……、ん、」
物凄くはしゃいでいた希乃愛だったけど、とうとう睡魔が襲ってきたらしい。
さっきまで主任と覆面ライダーミツキごっこをしていたのに、体力の限界がきたみたいだ。
「希乃愛、そろそろ寝よっか?」
主任にくっ付いてる希乃愛を抱き寄せようとするけど、しがみついて全然離れない。
「やーだー、まだ、寝ないのー」
「でも、9時になっちゃうから」
「やー、あそぶー」
なんて、大きな声を荒げる反面、瞳がトロンとして、頭を主任の胸にぐりぐり押し付けはじめる。
完全に、この子が眠いときに行う仕草だ。
「いいよ、布団まで運ぶよ」
「す、すみません」
主任が希乃愛を抱えたまま、スッと立ち上がったところで気が付いた。
布団までって、寝室(私の部屋)に入るってことじゃん。
「あ、やっぱり私が……」
「はは、遠慮しないで」
"遠慮"ではないのだけど……。
母に誘導されて私の部屋に主任達が移動する。
「ごゆっくり~」なんてお母さんが言って部屋を出てくけど、ソレいらないよね?
6畳の小さな部屋には、完全に洋服置きと化したベッドとローテーブル、漫画が並ぶ本棚。そして、私と希乃愛がいつも寝ている布団が敷かれている。
私生活丸出しだしで散らかってるし、男の人を部屋に上げるのはじめてだし、恥ずかしいんだけど……。