孤独だった君に、僕の全身全霊の愛を…
“大丈夫だよ!私はずっと傍にいるよ!”

瑛茉に言い聞かせられるように説得されて、やっと落ち着いた真絋。

時康と飲みに出掛けていた。

「━━━━結婚でもすれば?
もう、こうなったら!」
時康がビールをグイッと飲み干し、顔を赤くしながら言う。

「………結婚か…」

「真絋と瑛茉ちゃん見てると、なーんか夫婦みたいなんだよなぁー!
新婚夫婦。
だから結婚すれば、真絋も落ち着くんじゃね?
彼女ってのと、嫁さんってのでは全く違うだろ?」

時康の言葉を聞いて、真絋は“そうなれたらいいなぁ”と考えていた。


そう。
“そうなれたらいいなぁ”程度だった。

この時はまだ…………



━━━━━━━━
━━━━━━……………

こちらは、瑛茉と衣音。

「ん?これ、眼帯?」
「そ!
知り合いのハンドメイドやってる子に作ってもらったの!」

「可愛いね!
花柄だ!
こっちは、水玉柄!
ハートってのもある!」

「でしょ?
シンプルだけど、可愛いでしょ?」

「うん!」

「…………瑛茉。
真絋くんに出逢って、凄く綺麗になったよね?」

「そ、そうかな?/////
衣音ちゃんみたいな美人に言われると、嬉しい!」

「私はずっと、もったいないなって思ってたの。
瑛茉はとっても可愛い子なのに、その左目が半減させてるって!
性格も本当は明るくて、笑顔が似合う。
もちろんしかたないことだけど、どうにか出来ないかなって。
今までは、瑛茉自身に自信が全くなかったから言えなかったけど、今からはもう少し自信を持っていいと思うの。
支えてくれる彼がいるから。
━━━━━だから、おもいきって前髪切らない?
で!この眼帯をつけるようにしてみない?
それだけでも、かなり変わると思う。
でも今なら、瑛茉は堂々と出来るんじゃない?」


そして後日瑛茉は、おもいきって前髪を目の上まで、肩まであった後ろ髪もバッサリショートにした。

その日の午後。
真絋とデートの約束をしていた、瑛茉。

少し緊張気味に、駅前で待つ。

「━━━━瑛茉?」

遠慮がちな、真絋の声が聞こえた。

「真絋!」

「ど、どうしたの?その格好……
眼帯して、髪も切ったの?
イメチェン?え?え?」

「ど、どうかな?
おもいきってみたの!」

瑛茉は、衣音に言われたことを話す。

すると真絋が言った。
「惚れ直した………!!!」と。


そして真絋の中で“結婚”の二文字が、現実的になるのだった。
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