鬼上司に恋しました〜本当の、恋を教えてくれたのはあなたです
「了解。課長、嫉妬で、この後めちゃくちゃにしたらダメですよ。俺は、相談されただけですからね。では、ほどほどに」
言いたいこと言って、切りやがった。
どこかに、監視カメラでもついてるんじゃないかと思うほどに怖い。
いや、それよりも、後ろの鬼神さまである。
「高木と、どういう関係だ?」
「えっと、高木さんは、小野田さんの彼氏ですよ」
「そうなのか?いつの間に…」
普段、仕事の洞察力はすごいのに、こういう恋愛ごとになると鈍いんだよね。
「それで…真っ裸だとか襲うと聞こえたぞ」
「それはですね、誘惑しても襲ってくれない千紘さんのせいです。小野田さんに相談しようと呼び出したら、高木さんもついてきて、相談にのってくれたんです。で、真っ裸になれば、千紘さんも襲ってくれるかなって…」
「わかった。そんなに俺に襲われたかったんだな。なら、今、ここで真っ裸になって誘惑してくれよ」
という流れから、服を脱いでお料理させられて襲われています。
この変態め。
強面のくせに、エッチいことがうますぎて、翻弄されてしまう。
「千紘さん、お料理できません」
「頑張れ、両手が塞がってて手伝えない。材料の質感と味見するのに忙しいんだ」
何が忙しいんですかね?
私の体をやわやわと揉みだくって、うなじや耳に喰んで…私をトロトロにしてヘロヘロにすることですか。
千紘さんに隅々まで味見されたせいで、ベットに戻ることになりました。
正式に付き合って間もないのに、仕事のできる男は、迅速に事を進めていく。
私の両親の元へ挨拶に一緒に出向き、結婚へ向けての同棲の許可をもぎ取った。その手腕には、さすがと言わざるしかなく、誰?と言いたくなる変わりようのイケオジの会話力に両親は骨抜きで、初対面にも関わらず、全信頼を寄せるほどだ。そして早々に私の住んでいたマンションを引き払って、今、一緒に住んでいる。
挨拶に行ってからここまで、1ヶ月も満たない速さの行動力で、入籍も推し進める勢いである。
そして、しばらくして如月さんが退職することも決まり、総務から経理課に一名配属される。で、私も真面目に働き出したので退職するわけにはいかない。
だけど、結婚して夫婦で同じ職場は、世間的に批判する人もいるだろうと、入籍を前に、私は、経理課から来た人と入れ替わりに総務部へ移動することにした。
千紘さんは、そんなことしなくてもいいと言ってくれたが、やはり、妻となる身としては、私のせいで夫に迷惑をかけることはしたくない。
私が、総務での仕事になれた頃。
「そろそろ、俺の奥さんになって」と、婚姻届を出してきた千紘さん。
嬉しくて、涙を浮かべながら記入して、一緒に、その日のうちに、夜間の受付へ提出。
「今日より、鬼束 愛梨となります。末永くお願いします」
「こちらこそ、こんなおじさんに嫁に来てくれてありがとう。幸せにする」
軽く、チュッとその場でキス。
私達の他に、夜間受付で婚姻届を提出するカップルがいて、拍手と冷やかしを頂いたので、こちらもお礼に拍手と冷やかしをプレゼント。
いい思い出になりました。