BLUE ROSE ー今夜、私を攫ってー

ヒスイ、なんて宝石になぞらえた名前など付けられて、名前負けでもしたら目も当てられないけれど。


腰まで伸びたブラウンがかった髪は、痛み知らずのサラサラストレート。

目鼻立ちのはっきりした、両親の優れた遺伝子だけを集めたような容姿に恵まれ。

小さい頃からモデルにならないかと多方面から声をかけられていたけれど、安全上の理由で受け入れられるわけもなく。


宝生グループの社長令嬢だとわかれば、いつどこで誰に狙われるかわからない。

成功している分、敵も多いのだ。



「麻美、そんなに嬉しい?」


いつまでも引っ付いている麻美に私は笑う。


「あたりまえだよ~! 妃翠ちゃんと友達になって半年、初めて遊びに行けるんだから!」

< 6 / 134 >

この作品をシェア

pagetop