やる気ゼロ令嬢と時戻しの魔法士*努力しても選ばれなかった私は今度こそ間違えない
 いいわ、貴方がそのつもりなら、私から突撃してやる。
 オルの裸なんか、何度も見ちゃったんだから慣れてる、平気!
 時戻しの魔法の秘密と言うかカラクリと言うか、絶対に話して貰うから!
 バスルームへ突撃だ!


 だが、私がバスルームに到達する前に、部屋の扉が強くノックされた。
 基本、郵便物は大家さん預かりになっている。
 学生の身に不相応なこの部屋を知られたくなくて、友人も招いたことはない。
 休息日の日曜日には郵便物は届かない。


 大家さんと家族以外、誰も訪れたことがない部屋だ。
 不審に思ってドアを開ける前に、扉に付けられた小窓から来訪者の姿を確認した。

 
 え? もうクレイトンから帰ってきたの?


 ……どうして、シドニーが?


 どうして、シドニー・ハイパーがウチを訪ねてきたのか、わからない。
 昨日はご両親の侯爵ご夫妻も一緒に、クリフォードの完璧なおもてなしを受けて、ノックスヒルに泊まったはずだ。 
 こんな時間に王都へ戻ってきた、ということはクレイトンを始発で出てきたの?
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