やる気ゼロ令嬢と時戻しの魔法士*努力しても選ばれなかった私は今度こそ間違えない

47

 本当に、私を3年前に時戻しをさせようとしたのなら、もっと上手くやれたはずだ。

 私の性格を理解していたようだったし、あしらいかたも上手い。
 弱いところも喜ばせ方も、私本人より熟知してるのに。


 それなのに、このひとは……!
 私が馬鹿みたいに拗ねたら、直ぐに撤回した。
 そうなるかも、と最初から覚悟していたみたいに!



「オル、貴方がさっき言ったのよ?
 時戻しは最長7年だ、って。 
 つまり、7年だったら安全性は確証されているんでしょう?
 だったら、普通は先ずは7年戻る、それから魔力の回復を待って更に6年戻る。
 それで13年になる。
 帰るのも同様に、2回に分けて帰る。
 それなのに、貴方はそうしなかった。
 1回で13年前に行けないのなら、せめて10年前に戻って私を事故から救うことにした。
 そして、もしも説得出来たら、貴方は10年後に時送りの魔法で帰るつもりだった」

「……」
< 163 / 444 >

この作品をシェア

pagetop