やる気ゼロ令嬢と時戻しの魔法士＊努力しても選ばれなかった私は今度こそ間違えない

２

「あぁ！ メリッサ！」

「私を見失ったの？」

　現れたのは学生寮で、新入生の時に同室だったメリッサ・ジョーンズで、懐かしさに涙が出そうになった。


「もう、びっくりしちゃったよ、ジェリー！
　後ろに居たと思ってたのに、急にふらふらとあっちのテーブルへ行くんだもの。
　必死で呼び止めたのに！
　どうしたのよ、入学早々に悪目立ちするなんて。
　そんなタイプに見えなかったけど？」


　彼女は私と同様に、地方に領地を持つ伯爵家のご令嬢だ。
　２年生でご実家の都合で中途退学していたので、彼女に会えたのは本当に久しぶりで、はしゃいでしまう。


「メリッサ、ご無沙汰しててごめんね！
　お元気そうね？ 安心したわ！」

「……元気よ、どうしたの？
　入寮してからずっと一緒に居たじゃない。
　急に離れて３年席に座りに行ったの、貴女じゃないの」


　思わず、嬉しくなって。
　余計なことを言ってしまった。
　温厚なメリッサからの不審者を見る眼差しに、慌ててしまう。


　そうだ、私は16歳のジェラルディン。

　時戻しした早々に、変な女だと思われてしまった？