やる気ゼロ令嬢と時戻しの魔法士*努力しても選ばれなかった私は今度こそ間違えない
 ……認める。
 サイモン、いやシドニーがいつモニカと知り合って、いつからふたりは付き合っていたのか?
 私は口では平気だと言いながら、実はすごく気になっていたのだ。


「聖女なんて言われてても、最低だ。
 色々と噂は聞いたが、出所はあの女だろ?
 最初、キャンベルと聞いて君がモニカなのかと思って。
 申し訳なかった」


 私がキャンベルとだけ言ったから、モニカと間違えていたのね。
 モニカの顔も年齢も知らなかったんだ……
 彼女の印象も最悪みたいだけれど、前回もノックスヒルの噂を聞いてても、父に好印象を持っていたのだとしたら。



「先輩は、わざと自分が貧乏くじを引いたんですか?」

 思わず口にしていた。


「貧乏くじ? 何の話?」

 その言葉に、サイモンが眉をひそめて。
 そうだ、私は前回は彼の、こんな表情を見るのが怖かったことを思い出した。
 シドニーの機嫌が悪くならないように、いつも気を遣っていた。


 オルとはあんなに言い合って、睨み合っても。
 全然怖くなかったのに。


「今ならまだ間に合います。
 今回は、エドワーズ侯爵に負けないで」
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