やる気ゼロ令嬢と時戻しの魔法士*努力しても選ばれなかった私は今度こそ間違えない

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  ◇モニカ視点◇


 当主夫人の部屋はノックスヒルで一番日当たりも風通しもいい部屋。

 だけど、夜はひとり。
 私以外は廊下の角を曲がった並びの4部屋を使っていた。


 広い部屋の立派なベッド。
 膝を抱えて丸くなって。
 私はひとりの夜を、そこで過ごした。


 雷が鳴り、風が吹き荒れる嵐の夜も、ひとりだった。
 丘の上に一軒だけ建つ邸は、嵐が来れば最悪。
 遮るものが何もなく、雨風が直撃して、邸を軋ませる。
 生まれ育ったノックスヒルだけど、13年住んでいても、怖いものは怖かった。
 幼い頃から嵐の夜は、お母様に抱き締めて貰って眠ったのよ。


 嵐が来た翌日、起こしに来てくれたエマに貴女達の様子を尋ねた。

 2つ年下の11のジェリーと、7つ年下の6歳のリアン。
 リアンはさすがに雷に驚いて、叔母様の部屋で一晩過ごしたそうだけれど、ジェリーは平気で眠っていた、と聞いて。

 2つ年上の私が怖いと言って、叔母様の部屋へ逃げ込まなくて正解だった、と思った。


 その他にも叔母様は、物事をどんどん変えていかれたわね。
 お祖父様より優しかったお医者のマクレガーのおじいちゃん先生が来なくなった。
 貰っていた沢山の飲み薬も無くなって、
『お日様に当たらなくっちゃ、それが一番よ』と言って、外に連れ出されることが増えた。
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