やる気ゼロ令嬢と時戻しの魔法士*努力しても選ばれなかった私は今度こそ間違えない
 やはり、さっき皮肉かと思ったのは、気のせいではなかったのかもしれない。
 その声の冷たさは、ぞっとさせた。


「どうしてですか?
 こんな、こんな小さい子供を鞭で打つなんて、信じられない。
 まず病院で治療して、誰にやられたのか聞き出して、その後直ぐに警察へ被害届をだ……」

「だから!
 行ったら駄目です!」


 話している途中で遮られて叱られて、私は黙った。
 すごく当たりが柔らかい感じの人だし、心細くなってここまで付いてきてしまったけれど、ようやく警戒心が沸き上がってきた。


「止める理由を言わないなら、その子を返して。
 大声を出しますよ?」

「貴女なら良く考えれば分かることでしょう?
 明らかに虐待を受けた幼い子供ですよ?
 善意で動いたのに、貴女はその場で拘束されるでしょうね」
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