やる気ゼロ令嬢と時戻しの魔法士*努力しても選ばれなかった私は今度こそ間違えない
「今回は侯爵達亡くなったでしょう。
 やっぱり13年後も亡くなったままで?」

「そうだね、この状態で年月は進むだろうな。
 今日の午後イチでスピネルが神の領域に手を出したせいで、俺達は13年前の11月29日に来たはずなのに、気付いたら22日になっていた」

「22日? 今日は20日よ?」

「20日……更に2日ズレたか。
 君に会うまでに、スピネルはまた誰かを手にかけてた……」


 本来なら今日死ななくてもいい人をヨエルが殺したから、不規則にズレていっているのだとしたら……


「スピネルは、私の目の前で。
 馬車ごと御者さんを消したの」

「……行方不明の届けが出るまで、誰なのか分からない……」


 ヨエルに躊躇なく消されてしまった、本来なら今日亡くなるはずじゃなかった身元の分からない御者さんがお気の毒で。
 私達は暫く無言になった。


 ◇◇◇


 私はずっと、今日が20日火曜日だと思っていた。
 だから、クララに皆でサイモンのお祝いをしよう、祖父にも教えてあげて、と……
 違っていたの?

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