やる気ゼロ令嬢と時戻しの魔法士*努力しても選ばれなかった私は今度こそ間違えない
 女の私に色気を振り撒いても無駄なのに、身体をくねらせる魔女にイライラして、お返しに真似して一文字ずつ区切って否定した。

 私は疲れてクタクタで、ベッドで休みたかった。
 この魔女に居座られたら眠れない。
 魔力が回復したなら、早く出ていって欲しい。


 時戻し、なるものの詳しい内容は聞かなくてもいい。
 魔女が魔力を消耗して、子供になってしまった程の危険な魔法に誰がかけられたいと思う?
 私は思わない。


 幼いパピーだから、保護をしたのだ。
 魔法士である魔女は高給取りだ。
 裕福ではないが、曲がりなりにも私は伯爵令嬢なのでかかった費用を清算してとまでは言わない(カッコ悪くて言えない)が、そんなエリートを学生である私が世話をする義理はない。
 

 睨むと、魔女は肩を竦めた。
 そんな仕草も、語尾を伸ばす話し方も、本当の姿を誤魔化すために、演じているように思えてならない。
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