やる気ゼロ令嬢と時戻しの魔法士*努力しても選ばれなかった私は今度こそ間違えない

24

「もし過去の時間をやり直したいなら、1度だけになるけれど、叶えてあげる」


 魔女が妖しく金色の瞳を揺るがせながら、私を誘う。
 駄目だ、目を見るな!慌てて目を瞑った。
 助けてくれた御礼だと、魔女は言うが。
 訳の分からない誘いに乗るつもりはなかった。


「御礼は要らないし、その服は返さなくていいから。
 とにかくここから出ていってください」

「えぇー、どぉしてそんな冷たいこと言うの!
 昨夜はあんなに優しくしてくれたじゃない」

「私が優しくしたのはパピー。
 貴女じゃないの、時戻りの魔女」

「パピーはあたしだって、わかってるでしょ!
 それにね、時戻りの魔女じゃないのよ?
 時、も、ど、し、よ?」

「申し訳ありませんけれど、戻りだろうが、戻しだろうが、私はどっちでもいいんです。
 ただ、貴女はパピーとは、ち、が、う!」
< 66 / 444 >

この作品をシェア

pagetop