沼甘総長は、左手の薬指を独占したい
私と東条くんの一件を、目撃していたクラスメイト達が
「結衣花ちゃんが、総長に誘われたってこと?」
「東条くんって、結衣花ちゃんが好きなの?」
「キャー 羨ましすぎる!」
勝手に妄想を膨らませて、キャーキャーと騒ぎ出してしまった。
教室は恋バナが飛び交う、お祭り騒ぎに。
待って、待って。
みんな、勝手に盛り上がらないで。
相手は学園一の大人気男子、東条朝都くんだよ。
私なんかを好きなんて、ありえないから。
大声で叫んで、全力で否定したい私。
豆腐メンタルでビビりの私には、そんな勇気はない。
これ以上目立つのは、もっと恥ずかしいし……
私は結局、火照る顔を隠しながら、うつむくことしかできませんでした。