LE CIEL BRILLANT 〜無職29歳、未経験の仕事に挑戦したらジュエリーデザイナーにこっそり溺愛されてました〜
「藍はその子と仲直りしたいの?」

 彼が聞いてきた。すぐに藍はうなずいた。

「……うん」

「じゃあ、あやまろうよ」

「えっ。向こうが悪いのに」

「でも、藍も同じことしたじゃん。藍が謝ったのに向こうが謝らなかたら、本当に向こうが悪いよ」

 子供らしい正義で、彼は言った。

 そうなのかなあ、と藍は疑問に思う。

「もし私が謝ったのに謝らなかったら嫌だな」

「大丈夫だよ、きっと。友達なんだろ?」

「うん……」

 返事をするものの、不安しかない。

「勇気がでない?」

 彼が聞いてくる。

「私、臆病(おくびょう)なんだって。お母さんが言ってた。だから勇気がないんだ」

 うーん、とまた考える彼。

 それ以上いいアイディアが出ることもなく、藍の悩みは解決しないまま終わった。




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