LE CIEL BRILLANT 〜無職29歳、未経験の仕事に挑戦したらジュエリーデザイナーにこっそり溺愛されてました〜
「アドバイスをもらって金具を買いに行ったら、手作りセットがあって。あ、ペンダントは直りました。ありがとうございます」

「直ったんだ。よかった!」

「あの、それで」

 藍はバッグから小さな紙袋を取り出す。リボンシールをつけたかわいい紙袋。

「プレゼントです」

「愛の告白的な?」

「ち、違います! お礼です!」

 慌てて否定する。

「わかってるけど傷付くなあ。開けていい?」

 笑いながら直哉が尋ねる。藍はどうぞ、と答えた。

「ん? これなに?」

 飾りのついた紐状のものをみて、直哉は首をかしげる。

「マスクストラップです。作ったんです、それも」

 これなら男性でも使えると思ったのだ。直哉をイメージしてサンストーンの丸玉を紐の両端に一つずつ付けている。紐の部分は合皮だ。

「そうなの!? すごいじゃん! ねえ見てみて、これもらった!」

 そう言いながら直哉は店内へ入っていく。藍もそれに続いた。

「藍ちゃんが作ったんだって! ピアスも自作したって、すごいよね!」

 と直哉がみせびらかす。だんだん恥ずかしくなってきた。

 やめてえぇ! と心の中で叫ぶ。

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