LE CIEL BRILLANT 〜無職29歳、未経験の仕事に挑戦したらジュエリーデザイナーにこっそり溺愛されてました〜
「へえ、すごいじゃん」

「なにそれ」

 賞賛する瑶煌に対し、嫌悪もあらわに瑠璃がいう。

「桜内さんと店長の分も作りました」

 と言って鞄から紙袋を取り出し、二人に渡す。瑠璃はしぶしぶといった様子で受け取った。

「なあんだ、俺だけじゃないのか」

 直哉が口を(とが)らせる。

 微笑んで受け取った瑶煌は、袋を開け、中身を取り出す。

「あっ」

 見ていた藍の口から思わず声が出た。

 取り出した拍子に、マスクストラップの金具が外れて落ちた。

「……雑な造りね」

 呆れたように瑠璃が言う。

「す、すみません」

 慌てて拾おうとするが、それより早く瑶煌が拾っていた。

 じろじろとマスクストラップと金具を見比べる。

 藍の頭から高揚したものがいっきに消えた。

 なんでジュエリーデザイナーにこんな素人のものをプレゼントしようなんて思ったんだろう。なんであんなにハイになってたんだろう。

 冷静になると、いっきに倍増した恥ずかしさが押し寄せて来る。

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