LE CIEL BRILLANT 〜無職29歳、未経験の仕事に挑戦したらジュエリーデザイナーにこっそり溺愛されてました〜
「はい、よろしくお願いします!」

 藍は勢いよく頭をさげる。

「――よろしく」

 感情のこもらない声が降って来て、藍は顔を上げた。

 瑠璃の美しい顔に笑みはない。無表情で藍を見ている。もしかすると不機嫌を押し隠しているのかもしれない。

 歓迎されてないかも。でも、なぜ?

「彼女、販売の仕事もジュエリーの仕事も初めてだから、よろしくね」

 直哉が重ねて瑠璃に言う。

「わかったわ」

「では、木曜日、本日の朝礼を始めます」

 直哉が言い、藍の一日目が始まった。




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