LE CIEL BRILLANT 〜無職29歳、未経験の仕事に挑戦したらジュエリーデザイナーにこっそり溺愛されてました〜
 ぜえぜえ言いながら店に入ると、すでに店長がいた。

 そこには瑠璃もいた。

 いつもと違い、二人ともカジュアルな服装だった。

 同じように急いで来たのだろう。

「あんたのせいよ!」

 顔を見るなり、瑠璃は怒鳴った。

「あんたが来てから全部おかしくなった!」

 瑠璃の表情が崩れたように歪んだ。

「あんたが全部壊したのよ。お店も、瑶煌も直哉も、私の居場所もなにもかも全部!」

 泣きそうだ、と藍は思った。瑠璃は怒っているのに、まるで泣いているように見えた。

「瑠璃、そういうことを言っている場合じゃない」

 瑶煌が瑠璃の肩を掴んで止める。

「そういう瑶煌だって、さっきまで工房にいたでしょ! 金屑がついてるわ!」

「直哉から連絡が来るまでのことだ」

 瑶煌は静かに言い返した。

 瑠璃はおとなしく黙り、うつむいた。

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