LE CIEL BRILLANT 〜無職29歳、未経験の仕事に挑戦したらジュエリーデザイナーにこっそり溺愛されてました〜
 * * *

 いったんは地元に帰った藍だったが、すぐにまたこちらへ戻って来た。

 戻ってくる前には瑶煌が藍の実家に来て両親に挨拶をした。

 テーブルを挟んで向かい合った両親との間にはりつめた空気が満ちる。

「結婚を前提におつきあいをさていただいております」

 藍の横でそう言う瑶煌に、藍は心臓が爆発しそうだった。

 母は「あらあらまあまあ」とうれしそうだったが、父は終始むすっとしていた。

 その挨拶を済ませてから、藍は彼の住むマンションに引っ越した。今では一緒に通勤している。

 一緒に暮らすにあたって、一つ決めたことがあった。

「我慢せずに気持ちを伝えること」

 藍も瑶煌も、どちらかというと自分に我慢を強いて相手を立てようとしてしまう。それではいつか取り返しのつかないところまでいってからあふれてしまうかもしれない。

 だから、早めに言うこと。

 我慢せずに言う。それもまた大人への扉を開いたように思える。

 藍の未知の世界だ。

 瑶煌からはいろいろ聞いた。

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