LE CIEL BRILLANT 〜無職29歳、未経験の仕事に挑戦したらジュエリーデザイナーにこっそり溺愛されてました〜
 引越しの理由や、母の再婚で苗字が変わったこと、ハンカチをずっと持っていたことや、履歴書を見て一発で藍だとわかったことなど。

 それから、プロポーズのときのことも。

「あのとき、本当は「つきあってください」と言うつもりだったんだ」

 一緒に暮らすようになってから、瑶煌はそう告白した。

「無意識の願望だったのかな。でもそのおかげで本当に結婚できる」

 それがたまらなくうれしい、と彼は言う。

「私も一緒にいられてうれしい」

 藍はそう答える。

「でも再開するにあたって借金だらけだ。本当ならこんな俺が……」

 言いかけるのを、藍は唇でふさいだ。瑶煌は藍を抱きしめ、キスを返した。

 充分に藍の唇をむさぼったあと、ようやく瑶煌は顔を離した。

 瑶煌の熱い瞳を見て、藍は言った。

「私たちには勇気があるわ。勇敢に前に進むの」

「……そうだな」

 瑶煌が微笑(ほほえ)む。

 私たちには有望な未来が待っている。

 藍はそう信じていた。





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