LE CIEL BRILLANT 〜無職29歳、未経験の仕事に挑戦したらジュエリーデザイナーにこっそり溺愛されてました〜
 確かに自分でも自分に魅力を感じない。

 男性ならなおさら、自分になんて興味ないのではないだろうか。

 たとえば瑠璃のような美人だったら人生変わったのだろうか。

 瑠璃はまた、ノートパソコンで作業をしていた。

 彼女なら、瑶煌と並んでもお似合いのカップルで……。

 瑶煌は真剣に集中していて、藍を見ることなどない。

 彼女から見えるのは広い背中とデザイン画。男の人らしい節ばった手。

「何を見てるの」

 瑠璃が咎めるように言う。

「いえ、別に何も……」

 おろおろして答える。が、これではやましいことがありますと言っているようなものではないだろうか。

「外の掃除してきて。窓も拭いて」

「はい」

 言われて、藍はなんだかホッとした。そそくさと掃除道具を取りに行った。

 外を掃除している藍は、なおさら瑶煌を見てしまう自分にきがついた。

 今夜は眠れそうにない、と思った。
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