LE CIEL BRILLANT 〜無職29歳、未経験の仕事に挑戦したらジュエリーデザイナーにこっそり溺愛されてました〜
 純麗は接客の片手間にいろいろ教えてくれた。

 普段、直哉は土日休みなのだという。そのかわり、お店の定休日である火・水は働いている。卸が土日休みだからだ。
 教えてもらったし、頑張るぞ。藍は心に誓う。

 とはいえ初めての接客はぐだぐだだった。

 張り切った藍は入り口を入って来た客に大きな声であいさつした。

「いらっしゃいませ! こんにちは!」

 ぎょっとして、店内にいた全員が、彼女を見る。注目を浴びて失敗を悟る藍。

「茅野さん、元気すぎるわ。ここはファーストフードじゃないんだから」

「は、はい」

 純麗に苦笑いで注意された。

 別のときには、

「店員さん、この商品を見たいんだけど」

「は、はい、ただいま!」

 慌てて行こうとした藍は、ショーケースにしたたかに腹を打った。

「だ、大丈夫!?」

 客に心配されてしまった。

 ああ、から回っている。

 結局、藍はへこんだ。

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