束の間を超えて ~片想いする同僚兼友人に、片想いをした~ 【番外編追加済】
 でも、それはできなかった。

 その日に限って、彩子が洋輔のところを訪ねてきたのだ。

 今、彩子がそばにいれば、何を言ってしまうかわからない。追い返してしまいたかったが、洋輔に彩子の頼みを断ることなどできるはずもなかった。

 とにかく自分の感情を悟られないよう、必死にすべての感情を押し殺した。


 一晩眠ればどうにかなると思った。

 彩子の存在を感じれば、勝手にいろんな感情が沸き上がるから、その日は彩子に背を向けて横になった。それでどうにかやり過ごそうと思った。
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