束の間を超えて ~片想いする同僚兼友人に、片想いをした~ 【番外編追加済】
 洋輔の希望で二人は水族館デートにやってきた。


 今はまだ午前十時と開館して間もない時間だ。いろいろなエリアがあるが時間はたっぷりとあるので、ゆっくり見てまわれるだろう。まずはどこから行こうかと二人で話しあう。

「折戸は何見たい?」
「マンボウが見たい。松藤は?」
「俺はペンギンかな」
「え、松藤かわいい」
「えぇ? ありがとう」
「さすがだな、松藤」
「え、何が?」
「かわいいって言われて素直に礼を言える男はモテると思う」
「そう?」
「好感度十パーセント上がったかな」
「あはは、ありがとう。今何パーセントなの?」
「内緒」
「教えてくれないんだ。じゃあ、百パーセントになるように頑張ろうかな」

 すでに百パーセント振りきっているのにこれ以上頑張られても困ると思ったが、そこは軽く流して目的の水槽へと向かった。

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