ミステリアスなイケメン俳優は秘密の妻と娘を一生離さない。
知らない人にジロジロ見られているからか、星來は怯えた顔をしたので抱っこする。
「すみません、ご飯の用意があるので失礼します」
「あっ待ってよ。ネプチューンの社宅に住んでるってことは、旦那がタレントってこと?」
「……それ、お答えしないとダメですか?」
「俺今こういう仕事してるんだ」
名刺入れから一枚渡され、見てみると「週刊サターン 編集部」とある。
芸能人や政治家等著名人のスキャンダルを多くスクープする週刊誌だ。一瞬にして血の気が引いた。
「ここがネプチューンの社宅って聞いて張ってたんだ。なんかいいネタないかなと思ってさ。
なんか知らない?ちょっとでもいいからさ〜、教えてよ」
「そういうことでしたら、お引き取りください」
マンションのエントランスを潜ろうとする私の前に土田先輩が立ちはだかる。
「いいじゃん。誰でもいいからさ。あ、陽生とか知らない?」
「……困ります」
「陽生さぁ、大学時代は冴えない奴だったのに今は人気実力派俳優とか言われて調子乗ってない?
昔は俺の方が上手かったのに」
「……。」
大学時代から苦手に思っていたけど、やっぱりこの人は苦手だ。
星來の前でそんな言葉を聞かせないで欲しい。