ミステリアスなイケメン俳優は秘密の妻と娘を一生離さない。


 お料理も子ども用に別で用意してくださっていた。料理によっては星來の口に合わないものもあったけれど、ハンバーグやパスタ等の子どもが好きなメニューだったので概ね食べてくれた。


「ドラマがクランクアップしてひと段落ついたから、二人とゆっくりできる時間が欲しくて。突然連れて来てごめんね」

「いえ、こんな素敵なドレスまでいいんですか?」

「ちょっとした非日常を味わってもらえたらなと思ったんだ。あかりはいつも仕事に家事に育児と頑張っているから」

「ありがとうございます……」

「こちらこそいつもありがとう」


 こんな風に労ってもらえてとても嬉しい。フレンチのフルコースはどれもとても美味しいし、赤ワインも味わい深い。


「ドラマお疲れ様でした。寂しいですけど、最終回楽しみです」

「めちゃくちゃ面白いから楽しみにしてて」

「はい。今から期待してます」

「あと今更だけど、木更さんとは何もないから」


 一瞬何のことだかわからなかったけど、すぐに匂わせのことだと気づく。


「そういえば、そんなこともありましたね」

「気にしてなかった?」

「うーんそうですね……色々あって正直忘れてました」

「そうか。気にしてないならよかったけど、俺にはずっとあかりだけだからね」


 じっ、と真剣な表情で日華さんは見つめる。


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