ミステリアスなイケメン俳優は秘密の妻と娘を一生離さない。
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泣き疲れたのか安心したのか、星來は眠ってしまった。眠っても日華さんにはぎゅっとしがみついている。
頬に涙の跡が残っていたので拭ってあげた。
「本当はすごく不安だったんだ。自分が父親だと受け入れてもらえるのか怖くて、大事なことなのに後回しにしてしまった。
そのせいで星來に寂しい思いをさせてたんだね」
「いえ、私も気づいてあげられなかったです」
「申し訳なかった。我慢ばかりさせてしまって本当に申し訳ない」
「大丈夫です。星來はわかってくれますよ。私と日華さんの子ですから」
そう言えることが嬉しかった。これからは星來にパパと呼ばせてあげられるんだと思うと、心から嬉しい。
「そうだね」
日華さんは私の肩を引き寄せ、こつんと額をくっつけた。視線が絡まり合い、どちらからというわけでなく引き寄せられるように唇を重ねる。
「ん……っ」
すぐに離れ、今度は舌ごと食べられるみたいに深く絡まり合う。
星來が起きちゃうかもしれないと思いながら、離れられなかった。むしろもっと、って自分から求めてしまう。
上空から広がる宝石のような夜景に魅せられて、きっといつもより昂揚しているせいだと思う。
体が離れたと思ったら、日華さんは後ろからあるものを差し出した。
「これをあかりに」
そう言って差し出されたのは、真っ赤なバラのミニブーケだった。