ミステリアスなイケメン俳優は秘密の妻と娘を一生離さない。
恭ちゃんは複雑そうな、まだ何か言い募りたいような雰囲気を感じたが、私を見て肩を竦める。
「あかりがそれでもいいなら何も言わない」
「ありがとう。心配ばかりかけてごめんね」
「別にいいけどさ。それより大丈夫なのか?連絡つかないのかよ?」
「……」
あれからまだ連絡はない。LIMEも既読がつかない。ネットニュースにもその後の情報は載っていない。
SNSはよくわからない憶測が飛び交っているので見ないことにした。
日華さんは無事なの?考えるだけで胸が押し潰されそうになる。
「日華さんに何かあったら、私……っ」
「落ち着け、信じるんだろ?」
恭ちゃんは優しく肩を叩いてくれる。
「向こうでバタついてるだけだよ。落ち着いたら連絡あるって」
「そう、よね……」
ロスは多分夜のはず。今頃病院に行っているのかもしれないし、異国で色々大変なのかもしれない。今はただ無事を祈ることしかできない。
できれば今すぐロスまで飛びたいところだけど、それもできなくて歯痒い気持ちでいっぱいになる。
その時、スマホが鳴り響いた。画面に表示されたのは、知らない番号からだ。
思わずチラリと恭ちゃんを見た。恭ちゃんはこくりと頷く。
私は震える指先で通話ボタンをタップする。
「……もしもし」
『もしもし、加賀美さんの電話番号でお間違いないでしょうか?』