ミステリアスなイケメン俳優は秘密の妻と娘を一生離さない。
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「あかり!おめでとう!」
黒いレースのドレスをまとい、女の子を抱っこした妃乃が挨拶に来てくれた。
「妃乃、来てくれてありがとう。あまり大勢は呼べないから、妃乃が来てくれて嬉しい」
「こっちこそ呼んでくれてありがとう!もうめちゃくちゃ綺麗だよ!」
「ありがとう。姫ちゃんも来てくれてありがとうね」
妃乃の娘、姫輝ちゃんのクリームパンみたいなぷにぷにのおててと握手する。
今日は私たちの結婚式。身内と一部の親しい友人だけを呼んだ、ハワイでの挙式だ。
私はAラインで裾が長く、大きく広がるタイプのウェディングドレスを選んだ。
この日を迎えるまで色んなことがあったけど、無事に迎えることができて感慨深い。
「今旦那が日華さんに挨拶に行っててさ、天王寺グループのCMに出てもらいたいとか言ってた」
「えっそれは是非」
「こんな晴れの日まで営業かける?って止めたんだけどね」
「いやいや、有難いよ」
あの天下の天王寺グループのCMを獲得できたら事務所も万々歳だと思う。
「ところで星來ちゃんは?」
「星來はうちの両親と一緒だよ」
「ベール持つんだよね?めっちゃ楽しみ!いっぱい写真撮るから」
「うん、お願いね」
そう、星來もベールガールとしてヴァージンロードを歩くことになっている。