孤高のエリート社長は契約花嫁への愛が溢れて止まらない
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翌日からの二日間、私は久しぶりに実家の家事を引き受けた。
学校に行く弟たちを見送り、仕事に出かける母親を送り出し、午前中に掃除、洗濯、買い物を済ませ、簡単な昼食を食べてから夕飯の下ごしらえをしているうちに、あっというまに双子が帰宅する。
ふたりにおやつを食べさせ、洗濯物を取り込んでから夕飯づくりの続きに取り掛かる。穂高邸でのんびり過ごした時間が嘘だったみたいに息つく間もなく動き回り、目まぐるしく時間が過ぎていくことにかこつけて母親への事情説明を先延ばしにしていたら、それは突然起こった。
「嘘でしょ……」
朝寝坊をした土曜日の午前九時。スマホに届いたメッセージにリビングで立ち尽くすと、洗い物をしている母親が不思議そうに私を見た。
「どうかした?」
「ん、なんでもない」
顔洗ってくる、と言い置いて洗面所に駆け込み、改めてスマホの画面を見る。メッセージアプリの差出人アイコンには威風堂々と『壱』の文字が表示されている。
【仕事が片付きそうだから、今日そっちの実家に寄っていく】
出張中の旦那様からの端的な文章を何度も読み返した。